5-2.はみ出し合格法(短答編)


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 本試験の現場というのは、短答・論文を問わず、少なからず緊張してるもんだ。こんなこと改めて言わなくても、受けたことのある方々ならばわかるってもんだろ。俺も自慢じゃあねえが、なにしろ3回も短答・論文の試験を受けている。3回もやってりゃあ誰でもわかるようなことだが、現場でどのように行動すべきかを俺の経験を交えながら紹介しよう。

 

 まずは短答の場合から検討していくことにする。

 

 短答式試験というやつは、まず第一に受験者の層が厚い。こういえば聞こえはいいが、要するに申し込んだやつら全員寄ってたかって受けに来るわけだ。たまーに「僕は自信がないんで受けません。」なんていう勘違いボンボンもいたりするんだが、とりあえずどんな状況であろうと受けておいたほうがよいだろう。俺なんて一回目に受けたときは自信がないってよりも、「せっかくの日曜日なのに、なんで試験受けにいかなーならんのだ?」などといらぬ疑問を持っていた。それくらい、日曜の午後の3時間、問題を解きつづけるってことは大変なことだ。だが、受験すると決めて受験料まで払った以上、かならず受けるべきだろう。

 

 さて、短答式試験は通常午後1時開始である。したがって寝坊が原因で遅れてくるやつはまずいないから、その点は安心してよい。たまーに、なぜだか知らんが30分くらい遅れてくる奴がいたりする。短答式は一応遅れても30分くらいは大丈夫だから、短答を2時間半で解く練習をしている奴は余裕をかましていてもOKだ。それよりも、短答なんてもんはどうせわかんねえ問題の5問や6問あるはずだから、時間が少しくらい少なくても大したことはない。よって、ちょっと遅刻しちゃいそうなマヌケ野郎であっても、必ず受験するのが鉄則だ。

 

 短答式の試験中は受験者が多いこともあって、机が近接しており、隣とか前とかの奴の答えが丸見えだ。だが、間違っても隣の奴の答えを写したりしちゃあいけない。俺的には会計士試験というのは戦える奴が2000人しかいないと踏んでいる。この数値から言えば、隣の奴の答えが合っている可能性はあんまり高いとは言えない。注意すべき点の一つであろう。

 

 また、短答式では時間もないこともあって、トイレに行ったりする暇はないようだ。正直言うと、この点が非常にあやしいのだ。実は論文式試験では試験中トイレに行く奴が多発する。短答式は時間が短いからということも原因なんだろうが、トイレに行ってる暇すらないともいえる。したがって、トイレは試験の前にきちんといっておくなり、下痢気味の人は前日から下痢止めかなんか飲んでおくべきだろう。

 

 次に、よく言われることであるが、短答式で解く順番を決めている向きの方も多いであろう。頭からやる奴ってのは珍しいと思われるが、普通は科目別に分けてるんだよね?順番ってさ。ちょっとはみ出してみたい人のために短答式の解き方を紹介しよう。

 

 俺はどうしても商法から手をつけていた。順番的には商法→監査→原計→財表→簿記だったってわけなんだけど、どうしたわけか、あるときから次のようなクセを覚えてしまい、やめられなくなってしまったんだ。

 

 そのクセとは、38問目、あるいは39問目から解き始めるってもんだ。俺は監査が苦手なんで、そのまま商法を終わって監査に行ったとき、「ああ、そういえばさっき2問解いたよな。監査って8問しかないのも同然じゃん!?」などと思えてきて非常に気が楽だった。っていうか、同然も何も8問しか残っていないのは事実なんだけどねー!

 

 見る人が見たら奇怪な解き方に見えるだろうね?なにしろ38問から解答を書き始めているんだからな。俺が過去3回チェックしたところによると、少なくとも周辺にはそんな奴はいなかったぜ。このやり方を応用して、自分の苦手な科目を1問くらいしょっぱなに手をつけてみるといいだろう。科学的には立証できないが、なぜかあとで楽できるような気がして、精神衛生上非常によろしい。また、解答をわけわかんねーところから書き始める奴を発見したら、結構なつわものか、あるいは本当にわけわかんねー奴なのかのどちらかなので、注目してその後の動静を観察しよう。

 

 一応、以下、試験実施当局のためにも、このような方法もあるということだけを披露しておくんだけど、短答式最終裏技としては、専門学校の講師と仲良くなって、携帯に答えを入れてもらうという手がある。当然、試験開始30分後、専門学校のサクラ受験生が問題を持って外へ出るなり何なりして、専門学校では解答速報作りを始めることになる。また幸い、近年の情報技術の目覚しい発展から、携帯もiモードなど、簡単に情報のやり取りが出来るようになっている。短答の答え程度のものならば簡単に送受信できるので、着信があったら即トイレへ行く振りをして携帯を見ることにしよう。

 

 もちろん、試験開始前に携帯は電源を切っておくこと、なんていうことを言われたりするが、そんなもんは気にしないで音がならないようにだけ注意しておけば、現行制度上何ら問題がない。ちなみに俺は2年目に短答受けたときに次のような実験をしてみたことがある。俺はポケベルを持っていたんだが、電源を入れたままポケットに入れておいてみたんだ。ちなみに着信はなかったが、電源を試験最中に切ってみた。当然、試験官の目の届くところでポケベルをポケットから出して操作するわけだが、全然何も言われなかった。まあ、言われたとしても何もやましいデータはハナから入ってないんだから、堂々としたもんだったけどね。

 

 試験当局がこれを阻止しようとすれば、中学校並みのカバン検査、身体検査などを行うことになる。そんなことはまずしないだろうし、ましてや、試験会場全体を妨害電波で覆うことは事実上不可能だ。トイレ規制くらいしか方法がないが、トイレという生理的欲求を妨げる試験などないので、安心してよいだろう。

 

 トイレには試験官が着いて来るだろって?甘いねえ、まだまだ。人生修行が足りんよ。ウンコの方に入っちまえば大丈夫だろ?そしてそこで思いっきり水を流しながらデッカイふんばり声でもしてりゃあ、携帯のボタンを押す音なんざ聞こえやしねえよ!メモとる音だって消せるぜ。

 

 ただし、ここで問題なのは、専門学校の講師をいかにこのプロジェクトに導くかである。携帯を使用せず、いかに技術を凝らして、ポケベル機能内臓の電卓を製作しても、講師の協力がなければ水の泡である。当然、専門学校のアホ講師を探し出す作業に入る必要がある。できれば会計士じゃない講師がよいだろう。人間というものは弱いものでカネで動いてしまうもんだから、金持ちの子弟であれば、カネをちらつかせてプロジェクトに参加してもらおう。カネのない人はそれ相応の愛想をふりまいて、何とかこのプロジェクトへの参加を実現させよう。

 

 こうして、いくら専門学校の解答がおかしいところがあるっていったって、当然、短答通過くらいはできるってわけだ。

 

 まあ、こんな努力するくらいならば、勉強してた方が楽であるに決まっているんだけどさー。たまにこういうことしてるっぽい人もいるから、ここで披露したまで。俺的には、短答の最中にトイレで抜けるなんざ、それ以外考えられねえだろー、ってなわけだ。短答最中にトイレ行った奴を見るにつけ、うらやましくもあり、悔しくもありといった感覚がどうしてもわいてくるんだからしゃあないやな。勇気があり、かつ、何としても短答通りたいという方は、この方法はあと2,3年は使えるので、やってみるといいだろうね。(笑)

 


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2000.8.15