4-8.はみ出し経営学勉強法


| 前へ | 目次 | 次へ |

 

 「経営学」・・・・・こう聞いただけで身の毛もよだつような印象を持つみなさんは、もう十分分かってるんだろう。わけわかんねー科目が並んでる中でも、俺的には、もっともわけわかんねー科目が経営学ってわけだ。

 

 嫌い度から言えば、監査の次くらいに嫌いな科目でもある。あれ?経営学って最もわけわかんねー科目なんじゃなかったの?というアンタは鋭いね、相変わらず!その疑問が0.1秒くらいで湧いてくるようじゃねえと、やっぱ人間とは言えねえよなー!人の言うことはちったあ懐疑心をもって聞いた方が身のためだぜ?

 

 その理由はってえと、監査論がわけわかんねーのは俺くらいだけど、経営学がわけわかんねーのは俺だけじゃねえってことさ!そう、みんなよくわかんねーまま、何となく覚えちまってる科目だから、実はそんなに気合を入れる必要もねえんだよ!

 

 しかもさ、その範囲たるや、やりだせばキリがねえくらい果てしなく、そしてオミットし出すとどこまでも勉強量が削減されていくという、まるで幽霊みてえな科目だ。ま、そういうことを念頭において試験勉強をしとくべきだろうね。俺の特殊なリサーチによれば、経営学なんざ、みんな短答式試験が終わったあとに本腰を入れて勉強してるみたいだ。もちろん、短答式以前に経営学を一生懸命やったりはしないのが正しいの受験生のあり方だろう。専門学校によっても、経営学の授業体系は工夫しているところもあるようだ。

 

 しかしながら、困った挙句、専門学校によってはこんなトチ狂ったことを言ったりする奴も現れる。

「新聞(しかもなぜか日経及び日経産業新聞に限定されているケースが多い)を毎日読んでると経営学は楽になりますよ。」

ってね!

 

 まず、俺の攻撃目標としてはこのあたりの風説から行きたいと思う。

 

 俺も学生のころから日経を取るだけ取ってたんだが、そりゃあもちろん、株やってたからなんだよね(ちなみに小学生のときからだな、株価なんか聞いてたりしたのは。)たまにさ、「株式新聞」とか「日本証券新聞」なんていう、結構クロートっぽい新聞も読んじゃったりしてさ。結局、俺は株価欄しか見なかったんだよな、日経って。

 

 そんなんじゃオマエに日経を語る資格はない、などと言われるかも知れねえが、株価をファンダメンタルズからアプローチしようとすれば、どうしても産業欄というのも見るようになる。どうやら、日経、日経とやかましく言ってるのは、この辺の紙面のことを言ってるらしいな・・・、ふむふむ。とまあ、2ヶ月くらい読んでみたけど、株価の上下要因としては納得いくところはあるんだが、どうしても経営学の話は見えてこない。

 

 もちろん、経営学に関係のある単語はいくつか散見されるが、そんなもん、試験の役に立つとは思えん。株価欄を良く見てみると、たまにPER(株価収益率)の話なんか書いてたりする。もしかして、この単語を見せたいがために日経勧めてるんじゃねえだろうな、あのバカオヤジ?そんなもんは小学校のときから知ってるぜ?と俺は勘ぐったりするんだけど、どんなもんだろう?

 

 とまあ、せいぜいそんなもんだ。カネに余裕がないのに日経を取ってる奴は、まず辞めちまったほうがいいぜ。その代わりといってはなんだが、経営指標の本でも買ってきて、経営分析・財務分析なんかやってみたりした方がよほど経営学の役に立つってもんだ。しかも大した難しいもんじゃねえ。なんていったって、銀行や証券に入った新人は、みんながそんな感じのテスト受けて受かってるんだからさ。それが受かってねえと仕事できねえくらい重要かつ簡単なものだから、まあ、大したことねえことくらい、簡単にわかるよな?あとは専門学校のみんなやってるテキストでもやってお茶を濁しておこう。

 

 また、経営学について、こんなことをおっしゃるベテラン受験生の方がいらっしゃったりすることだろう。

「経営学だって7科目のうちのひとつ。だから、試験委員対策だけ本腰入れてやってるだって?そんなことで大丈夫かい、君。」

ってね。

 

 最初の文章は確かに事実だ。だが例年、試験委員の野郎どもが出す経営学の問題というのは、自分の研究分野から、自分の研究アプローチを一般的なモンとして出題されているケースが多い。当然、たまにそうでもない問題があるわけだが、だからといって、それをみんな出来るわけじゃねえから、心配ご無用だ。

 

 「んなことあるかい?出来るわけじゃねえのはアンタだけなんじゃねえの?」っていう人も多数いるであろう。そんな人たちのために98年7月に出題された経営学のものすごく簡単な問題について検討してみよう。

 

 あんまりよくは覚えていねえが、確かこんな問題だった。

「組織の3要素をあげて説明しろ。」

「組織の有効性と効率性について説明しろ。」

みたいな感じだった。おぼろげにしか覚えてねえのが、会計士受験生のバカでお茶目なところだ。

 

 この年の経営学については、俺は1時間30分くらいで解きおわった、っていうかこれ以上書けねえところまで行ってしまった。そこで俺は残りの30分ほどを使用して、自称2.5の視力(笑)を駆使して周辺の受験生がどのくらい出来てるのかをリサーチすることとした。ちなみに当然視力の測定で2.5とは言われたことなんかないが、なぜか試験のときは見えるんだよな、しかもはっきりと(笑)

 

 2.5もあったら、カンニングしまくりじゃん?オメーはカンニングで受かったんじゃねえの?と勘ぐる向きもあるだろうが、そう簡単にいかねえのが会計士試験だ。まあ、受けてみりゃわかるぜ。論文受けてる奴のうち、受かるのは4分の1弱だ。はっきりいってイチローや金城の打率をはるかに下回っている。俺が他の奴の解答を見たところで、正直、全然参考にならんケースが多い。また、俺の前後左右というのがこれまた出来の悪いのばっかだったし、実際にほとんど落ちてやがる。

 

 計算科目なんざ、簡単に答えを見ることが出来るんだが、

「ああ、こいつかわいそうに。間違ってばっかじゃん?」

とか

「おいおい、難しい問題から始めちゃって・・・大丈夫か?ほら、1時間たっても半分も出来てないじゃん?あれ?まだ諦めないの?もう1問、俺やったけど簡単だったぞ。しかも書いてるところも最初から違うし・・・。」

とか

「あー!1時間でちょろっと書いただけで寝ちゃっていいの?模試じゃねえんだからさー。」(当然のことだが、半分弱くらいしか埋めていない)

ってな人ばかりだ。

 

 しかもだ、特に論文では他人の答えを読むのは非常に時間がかかる。しかも、合ってるかどうかなんてわかんないんだから、自分の脳味噌から検索したほうがはるかに時間の節約となる。したがって、他人の答えが見えても得することなんかひとつもねえ。まあ、どうしてもわかんない問題があれば効果はあるんだろうが、そんなに自信がない程度の勉強しかやってなけりゃ、人のを見ようが見まいが、いずれにしても落ちてるだろ。

 

 話を本線に戻そう。経営学の試験でそのとき俺が周辺の受験生の解答7人をリサーチした結果は、最初の問題(組織の3要素)は大概出来てたな。でも、問題は次だ。効率性と有効性については、俺は前日テキストで読んだところだったので、簡単に解くことが出来たんだが、どうだい、野郎ども?少なくとも7人全員が何かしら書いてあったんだが、正解っぽい答えを書いていたのは3人しかいない。

 

 あんな問題簡単だよ、っていう受験生が試験終わったあと多数いたが、俺の激甘採点によっても、7人のうち3人しかちゃんと書いてなかったってわけだ。あとはチンプンカンプンな答えをしてたぜ。中でも面白かったのは・・・・と書きたいところだが、本人の名誉のためにあえて伏せておこう。ま、そういうわけで、経営学なんかでそんなに心配するこたあねえってことよ。

 

 ところで、なぜ試験委員野郎特有の問題が出るなんてことになるのか?という疑問をお持ちの方は多分にいるはずだ。俺が思うには、誰でもやりそうなトコだけを問題にしていると、経営学というのは非常にチープでチンケな試験科目に成り下がってしまうからだろう。だって、そうだろ?誰でも知ってる経営学の分野といえば、おそらく経営学史に属するような古いお話とか、そういう古典的な感じの否めないトコが大半を占めてしまう(当然、古典的じゃねえところもあるんだけどさ。)。

 

 それじゃあ、つまんないってわけだ。はっきりいって、大半の受験生が同じ出来となってしまっては、試験としてはつまんない試験になっちまう。試験を実施する意味すらねえ。そこで、野郎どもはやむを得ず、そういう問題を出しているんだろうと推測されるところである。

 

 これも俺が今他人事だからいえることなのかも知れないね。自分が経営学の問題に直面するたびに、「オメー何だしてんのよ、それってオメーしかわかんねーんじゃねーの?」と思っていたんだからさ!

 

 


| 前へ | 目次 | 次へ |

2000.8.11