4-3.はみ出し原価計算勉強法


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 原価計算ってえのも、また、計算科目と言われる科目の中の一つだ。こっちは簿記とはちょっと違う点が一つある。それは、「加算減算だけじゃすまんよ。」ってことだ。これに多くの掛け算、割り算、さらにはべき乗の計算、ルート計算なども簿記よりはるかに必要となってくるから注意しなきゃならんね。

 

 小学校2年生レベルの計算からいきなり高校数学へ行くようなショックを受けるかも知れねえが、ま、その辺はどうせ大して難しいもんでもないから心配することはないってわけだ。

 

 原価計算という科目はその名のとおり原価を計算するための手法を試すって感じのもんなんだが、これは大別して二種類に分けられる。理論と計算?そんな分け方は専門学校で教えてくれるからつまらんのでここでは捨象しちまえ。

 

 俺的には関の内と関の外、みたいな感じだ。原価計算基準ってのがあるが、その範疇に入るものと、そうでないものがあるってことだ。原価計算基準ってのは、昭和30年代の代物だからそれなりに理解しやすい。そう、昔を生きた人々はこんな簡単なのを難しいと思ってたってわけなんだ。現在生きている昔の人ってえのは確かに経験豊富で尊敬すべきだと俺は思うんだが、一方で知識がアップデートされていないと、あんまり存在の意義(レーゾンデートル、、っていうんだっけ?)がなくなってしまう。マジな話として、そういう感じのことが如実にわかる代物でもあるから、一度原価計算基準の中か外かを念頭において復習なりしてみると面白いんじゃねえかな。

 

 実際に勉強してみるとわかるが、原価計算基準を一通り勉強すると、次に基準に書いてない分野のお話を耳にすることになる。それが関の外って奴だ。2級まで取った俺にとっちゃあ、まさに「玉門関を出ずる。」ってくらいびっくりしたもんだ。中国の果てがゴールだと思っていたら、実は天竺まで行く、なんて三蔵法師様に言われたに等しい。最近の試験問題はこの辺から出題されることが多いから、そろそろ、玉門関の外にももう一つ関所が出来ることになって、またまた試験範囲が広くなっていくことになるだろうと俺は危惧している。

 

 さて、玉門関を出るとゴビ砂漠で非常に歩きにくいわけだが、原価計算もご多聞に漏れず、ということになる。玉門関の外を出ると、原価計算の場合、そこはシルクロードではなく、実はそこはアメリカなのだ。アメリカで研究されているコストに関する議論が面白いほど沢山出てくる。それを習得しないと試験問題が解けないという寸法だ。このエリアだと理論が主になってくるため、計算が面倒な人には大助かりだ。でもたまに、シンプレックス法とかいう、人知を超えた計算をさせられることもあるので、そのまま深い世界にイッてしまう人も少なくないらしい。イッてしまえば、その人にとって世界の終わりとなり、受験を終了させる結果となるため、これまた注意が必要だ。

 

 また、原価計算は計算だけじゃなくて理論も大切と言われるのは、簿記と比較して、という点にある。簿記だとそんなにうるさく理論を聞かれることはないが、原価計算だと、「計算の過程も書け。」とか「ナンタラについて述べよ。」みたいな問題がうじゃうじゃ出てくるから注意しなければならない。

 

 では、原価計算を効率的に勉強する方法というのはあるのだろうか。ここからは非常に重要な点であるので、次の章に任せよう。

 


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2000.7.16