2.そして会計士とは?

 


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 会計士とは?ってことなんだけど、金の面以外で見るってのはどうだろうか?要するに仕事の面白さとかさ、そういうところも知っておいた方がいいんじゃねえかってことなんだけど、俺もなにしろこの業界は1年も見てねえ。で、よくわかんねえところも多いんだ。俺みたいに無能な奴は特に一年くらいじゃ何にもわかんなーい、ってわけさ。

 

 まあ何となくわかったフリをしてるってことを前提に見てくれよな。

 

 会計士ってのは何する人かってえと、早い話がデカイ会社に行って監査をする人だ。んじゃ監査ってなんだ?ってえと、「わが国の経済成長に伴って長期産業資本の調達の必要性が・・・」なんて語り出すと時間がねえから簡単に言う。監査とは会社をビビらせて悪いことをさせないようにすることだ。会計士が会社に行って帳簿とか何とかいろいろ調査する。それによって会社をびびらせて嘘の発表とかさせないことが仕事だ。でも、そんなことくらいでビビる会社なんかねえってことくらいわかるだろー?ビビらせる資質のある奴が会計士に多いとも思えん。だから、ナントカ一証券とか、ああいうことが起こるわけだ。

 

 また、公認会計士には税理士の資格がくっついてくる(正確にいうとくっついてくるわけじゃねえがな)。だから、マチの税理士として活躍することも可能だ。

 

 ここまで会計士と一言で表現してるが、実は会計士にも種類があるんだ。知ってたか?まず、会計士と称されているものは会計士補と公認会計士に分けられる。後者の方が偉い。まあ、会社でいったら、ヒラと課長くらい違うっていうと大げさなんだが、まあ、そんな感じでレベルが違うわけだ。

 

 会計士補ってのは第2次試験に合格したての奴らだ。はっきりいって監査の実務なんかをすぐに理解なんかできん。そこで3年間先輩たちについていろいろ学んでいく。この辺は後で説明しとこー。

 

 さて、会計士は他にも分類が可能だ。まず、一流大学卒会計士ってのがいる。一流の大学出てると割合重宝されていい会社の監査の仕事につける。また、同じように一流であるところの誇り高い会社なんかにも行けることが多いようだ。要するに会計士も監査する会社のヒラより学歴が低ければ困るってこったな。また、この種の会計士は一般に監査法人なんかで偉くなったりしてるケースが多い、っていうかかなり多い。さらにネームバリューとその卓越した能力によって大もうけしてるのも多いぜ。

 

 一方で、この一流大学卒会計士は、みんなからの期待が大きい分、ちょっと仕事ができないと、「いい大学出てても使い物にならん奴もいるんだなぁ。」などと言われてしまうきらいがある。まぁ、この世界、ちょっとくらい仕事ができなくても全然生きていけるんだけどさ。たま~に、かなりキてるのもいるんで、ま、それはそれで見てると面白いから俺的にはまるでOKだ。

 

 次に独立系会計士って奴も結構いる。独立系っていうのは、なにも独立して事務所を構えてる奴に限らない。要するに誇り高くいろんな意味で独立を保っている人々のことだ。まあ、普通の会社にもいるよな、そういうのがさ!昔のどっかの国みたいに「スプレンディット・アイソレーション」(だったかなぁ。英語しらねえのに英語使いたがる奴ってのはやだねー。)とかで頑張ってるのがよー。この種の会計士は扱いが難しい反面、突付くと面白い奴も多いので、俺は割合好きだな。ただ、こんなのにくっついて仕事してると疲れるんだけどさ。

 

 あとはその他の会計士って感じだろーな。特に目立たなくて何となく社会的重要性のなさそうな奴らだ。俺もこの範疇に入る。まー、それなりに面白い奴がいて妙な誇りを持ってない分、非常に付き合いやすいんだが、俺的にはこの種の会計士の全体に対する割合は30%程度(俺の挙げてる数値にはほとんど根拠がないんだ。覚えといてね)。あんまり期待しないほうがいい。そんな偉くはならんけど、そこそこまでは行ける。独立してもまあまあなんとかなってる。そんな程度だがねー。ま、とにかく、この辺の人々が日本の監査を影で支えているんだから、社会で十分歯車として通用するはずだ。

 

 その歯車を大先生方が欲していらっしゃるわけ。それがどうひねくれたのかしらねえが、会計士合格者倍増なんてことになるって寸法だ。同じ歯車の俺としても、合格者なんかどんどん増えてくれて結構だ。なんていっても、仕事が楽になるからさ。奴隷が新しい奴隷を歓迎する心理と一緒だよなー。

 

 ただし、やっぱり既得権益ってもんが気になるみたいで、苦労して合格した年次の方などには、この合格者倍増計画は評判が悪い施策のようだけど。。まぁ、そりゃ人生すべてが勝負なんだから、ガタガタ言わないでちょっと不利になった気分に浸ってブルーになるのもまた一興だ。

 


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