4-4.はみ出し財務諸表論勉強法


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 原価計算ではみ出したあなたは、もう財務諸表論ではみ出さないわけにはいかねえだろう。なんといっても、人間というのはこういうくだらねえことだけはクセになる生き物だ。というわけで、財務諸表論の勉強方法を検討することにしよう!

 

 財務諸表論というのは、財務諸表の作り方やら、のっかってる数値の背景にある理論に関しての学問だ。これがまた、わけわかんねーシロモンなんだよね。経営学と一緒で、誰しも一言持つ科目として名高い。ついでにいうと、クソ講師のバカ採点、というのが多発する科目でもある。要するに、よくわかってねえ野郎がテキストに沿って適当に教えてるだけ、というケースが多いってことだ。そんな講師に習ってるみなさんは、即刻切り替えた方がいいぜ?

 

 財務諸表論という科目が得意になるためには、暗記・暗記・雨・暗記、という感じで、とにかく暗記しまくることをお勧めしておこう。暗記自体はそんなに量は無いからすぐ終わる。考えたいことがあればそのあとに考えることにしよう。財務諸表論というのは、イキやすい科目であるから注意が必要だ。俺は学問の、深く、そしてせつない世界へいざなわれていく受験生を何人も見てきた。

 

 会計士試験というゲームに参加してるみなさんは、そんなくだらねえことに気を使っている必要はない。ただ、点数を取れればいいだけ、ということを財務諸表論を勉強する前に毎回3分だけ念じておくことをお勧めする。ここで注意すべきことは、あまり気合を入れすぎて瞑想のように見えてしまうと、専門学校などではすぐに変人殿堂入りしてしまう可能性があることだ。いかにもあっさりと、眠い振りでもしながら念じておこう。

 

 財務諸表論を勉強するコツは、必ず日の照っている時間にやることだ。人間というものは何歳になっても弱いもので、暗い環境ではロマンティックになってしまうものだ。ロマンティックという言葉は俺は意味がよくわからんが、「いにしえの偉大なるローマよ!」などとわけのわかんねーことをいってる世界史オタク野郎の気分なのではないかと推測している。俺もローマについてはうるさいのだが、ここでは関係ないので別の機会にお話することにしておこう。

 

 ロマンティックになると、どうしても空想の世界に陥りやすいのは言うまでもない。そんなときに財務諸表論を勉強すると、必ずといっていいほど枕もとにシュマーレンバッハが立つようになる。さらに言えば、先に亡くなった超大御所といわれた大学教授もあなたのために降臨してしまうかもしれない。気が付くと、あなたは大航海時代へとタイムスリップして、ついでに場所もヴェネチアあたりに移動してしまうことだろう。そうでなければ、なぜか高田馬場あたりを知らぬ間にふらついているようになってしまう。

 

 ちなみに俺はシュマーレンバッハの顔がどんなんか知らんが(そういえば大御所も見たことが無い)、バッハというだけあって、顔は何となく想定できる。おそらくはルイ14世みたいな変な髪形をしていたのではないかと危惧してしまうのである。大体、ルイ14世みたいなのが枕もとでドイツ語で語り始めたら、恐ろしくて勉強どころではないはずだ。

 

 そうそう、財務諸表論は冷静かつ沈着な精神状態の下勉強しなければならないというところまで書いた(そうは書いてねえけどな)。シュマーレンバッハで思い出したが、財務諸表論ではみ出すためにはまず、定義やら論理の暗記とともに、会計学史なるものを暗記してみるといいだろう。他の受験生に確実に差をつけることができるってもんだ。

 

 財務諸表論がわからんという奴は、問題点と問題点の前提となっている世界が理解できていない場合が多い。この辺のことは例を挙げれば商法がいい。商法で前提としているのは善良な経営者と我慢強い株主ではなく、悪質な経営者と文句タラタラの株主だ。財務諸表論で前提となっていることがわからないと、論文で説明のしようもねえってこった。この辺の問題意識を高めるためにも、ヘッジ会計とか勉強するよりも会計学史を勉強することをお勧めしとく。新しい論点と古い論点が区別できるようになるだけでも点取りゲームにはかなりの効果がある。

 

 ついでにいっておくと、デリバティブなんかもちゃんと勉強しておくと何かと役に立つぜ。デリバティブといっても、めちゃくちゃなモンは問題なんかにならなくて、せいぜいよくある先物やオプション、スワップ程度のもんだ。デリバティブをよく知らないと、例えばスワップなんかをなぜか進行形で表現したりして、恥ずかしい思いをすることになる。確かに交換はしているが、人間を交換するわけではないので、その辺のことを知らない人は要注意だ。

 

 また、財務諸表論は商法と並んで試験の解答などにもかなり気を使う科目でもあると思われているようだが、実はそうでもないんじゃないかな、というのが俺の感想だ。だから完全丸暗記してないからといって、全然心配することはない。たまに財表の解答の書き方についてうるさい受験生がいて、みなさんにいろいろいってくるケースがある。しかしながら、それはどっかのクソ講師の受け売りだろうと推測されるので、黙って落ちてもらうのが得策だろう。

 

 このように、やり方次第では財務諸表論をいわゆる戦略科目(他の受験生に比して得点できる科目)として位置付けることも可能なので、全科目の成績が伸び悩んでる原因を財務諸表論が作り出しているのだとしたら、上記の方法論でチャレンジしてみるのも一つの選択肢であろう。

 

 


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2000.7.21