インチキ会計士の Vacation

 

長期休暇はどれくらい取れるのか?

 

 

嫌ならば、休んでしまえ、クソ法人

 

 はっきりいって、監査法人で仕事をしてるのが俺は嫌いである。というよりも、仕事そのものが嫌いなのであろう。「やりがいのある仕事」なんてフレーズは、正直言って現代的奴隷制における奴隷たちが僅かに保ち続けている人間性への鎮魂歌(レクイエム、っていうんだっけか?)に他ならない。辞めちまえばどうだ?という向きもあろうことは簡単に推測できるのだが、辞めちまうと転職コストなるものが発生し、ただでさえ労働の再生産を主な活動目標である奴隷たちにとって、余計なコストとなりかねない。注意すべきところである。

 

 それはともかくとして、仕事が嫌なら休んでしまうのが一番手っ取り早い解決の手段である。辞めるのに近い経験は監査法人というところで体験できるのだ。すなわち長期休暇を取ることである。長期休暇を取れば、心身ともにリフレッシュされるのは明白な事実である。したがって、俺は毎年長期休暇を必ず取ることにしている(していた、というのが正しいかもしれない。今は取れねえからなぁ…。)。前述のように監査法人というのは現在のところ、大手であれば労務管理がちょうどいい具合にいい加減で、お客さんに伺う用事さえなければ、休みを取ってしまうのも可能である。嫌なことを無理してしないのが俺の信念なので、こんな絶好の環境で長期休暇など取るのは屁でもないのである。

 

未曾有の好機だった2002年

 

 前述したように、夏と冬に長期休暇を取るチャンスがある。長くなりがちなのは冬だ。夏はせいぜい2週間も取れば精一杯である。お盆休みとかリフレッシュ休暇とか夏休みとか名称が変われども、会社から夏期休暇として3日の休みがもらえるのが普通で、それに7日間の有休を追加して取れば2週間休むことができる。

 

 夏も冬もであるが、どうしてもお盆、正月をからめないと長期休暇は取りにくい。こんな世の中でははっきり言って暮らしにくいったらありゃしねえ。お盆に休みたい奴は休めばいいが、それ以外の時期に休みたい場合にもきちんと2週間~1ヶ月くらい休ませて欲しいものだ。

 今の現状ではどうしてもこの混雑時をキーに休みを取るざるを得ない。従って混雑時期を少しでも外すには、何としても休みを長くする必要がある。8月の初めくらいから休みを取れれば、どこもそんなに混雑せずに行ける。俺はいつもそんな風に休みを取るのだ。何しろ、旅行に行くのだろうが実家に帰るのだろうが、混んでないし安いのである。

 俺がこんな風に安くのんびり旅行とかできるのは、混雑時期にしか休みを取れないバカ企業のオッサンたちのおかげである。こうした綿羊さんたちが俺のためにコストを負担してくれているのだ。だからっていって、とんでもねえことに、図に乗ったバカたちが俺にそれを恩に着せている場合がある。。しかしねー、アンタらは出世できるかもしれないという期待感を得ている。俺はそんなことは夢にも思っちゃいねえし、出世なんぞしたいともおもわねえし。好きなようにやらしてもらうぜ?綿羊がクサが好きでクサばかり食ってるのは別に構わん!俺も肉が好きだから肉を食うのだ。綿羊も好きなことやってんだったら、恩着せがましいことを言うんじゃねー!

 「そんなんだから、オマエは世の中に不満をもって生きているんだよ。」って説教してくれる自称常識人もいるだろ。つーか、だから、テメーらはいつまでたってもただの綿羊なんだ!500年はえーんだよ!綿羊が人のツラすんのはよ!

 でも、綿羊さんたちよ、そんなに世の中を悲観しちゃいけねえや。アンタらが自然と生産してる毛や肉のおかげで俺ら生きていけるんだぜ。十分世の中の役に立ってる。ウン。やりがいのある仕事だよね、綿羊っていうのもよ!

 

 それに引き換え、冬は正月休みをはさんで、例えば2002年の例でいくと、12月24日~27日の4日間休みを取ると、12月21日~1月5日までの16連休が取れた。俺なんかはこれにさらに1週間プラスし、9日間の有休を消化し、12月21日~1月13日の24連休というのを画策していた。一ヶ月近くも休めるのである。ようやく日本も欧米の基準に近づいてきたのだ!俺はうれしくなってウカれていたものであるが、おかげかどうか知らんが飛ばされてしまい、1月からの休みが不意になるどころか、12月下旬の休みも引継ぎ等でつぶれ、あっという間に普通のリーマン休みになっちまったのである。

 

 仮に24連休が実現したら、俺みたいなアホが何をしてたかってことに興味を持たれる方はいないかも知れないが一応書いておくと、南の島にでも行って、安い宿にでも泊まって毎日泳いだり、ブラブラしたりしながら半月くらい過ごして、日本に戻って残りの休みを満喫しようと思っていただけである。この24連休という俺未曾有の長期休暇をもらうチャンスを逸してしまったのは、やはり、そんなに休んではいけないという「神の見えざる手」が作用したのであろうと俺は思っている。欧米の神様ならば多分1ヶ月程度休みを取るくらいどうってことなく許してくれると思うので、見えざる手を出してきたのは恐らく日本の神様だったのであろう。怠け者の俺に対してあろうことか、ありがたくも明治以来神様たちが目指してきた勤勉で忠誠無比な人間になれ、と語りかけてくれたのかも知れない。ま、そんなことを言われてもねぇ、という感想しか持たないところが俺の俺たる所以である。

 

 今年こそは、と思うのであるが、3次試験の試験休暇を取りたいので、休むのは控えないといけないわけだ。非常に残念なことであるが、俺が長期の休みを取るようになるまで、あと少なくとも1年以上はかかる。1年も無遅刻無欠勤で過ごせるかどうかが今年最大のテーマである。

 

 いろいろ書いてるのを読むと俺は休みがそんなに好きか、と思われそうであるが、周辺には似たような奴が沢山いる。休みを取れないと死んでしまうのではないか思われるほどの休み好きが、である。俺の周辺には同郷の人間が多いため、地域性によりこのようになってしまったのではないか、と内輪では語られているのだが、実はそうでもない。実際に同郷の人間でも真面目に毎日仕事しているバカもいるし、用もないのに会社で働いてるフリをしているアホもいる。バカでもアホでもない、それが普通だ!とお説教してくれるのはありがたいことだが、俺にとっちゃ、毎日仕事してる奴とか意味もなく出勤してる奴の方がよほどおかしいと思えるぜ、マジで。

 俺の友人などは、彼や俺のように休みたがるのは「バックレ病」という病気にかかっているのだと説明する。脳味噌関係の医者の人は研究してみると面白いかもしれない。彼は俺の同郷の人間で、中学校までは休まない男だったのだが、高校を卒業して働き出すと休みたがるようになり、ついに今に至った。俺のバックレ病の発症は彼よりも早く、既に中学の頃にその萌芽があったと言っても過言ではない。登校拒否というわけでもない。ただ、学校まで遠かったのでウザかったのだ。俺の友人で頻繁に休む奴がいたのはどっかで書いたことがあるかもしれない。中学のときは、あんまり休むと進級できないと脅されていたが、その彼に言われて中学の場合は3分の2出席してれば進級できるという事実を知ったのが遅すぎた(中3の終わりごろか?)ので、そんなに休むことはなかった。

 高校のときは、俺の机の横には科目名と正の字が書かれている表があり、何時限休んでよいかを管理しており、高校1年~3年まで、この管理法を続けていた。繰越欠損金を使い切る企業のように、俺も許容される(決して許容されてたわけではないのだろうが)休みを十分に満喫した。どうも仕事を始めてからも図らずもこのクセは続いているようである。会社まで遠いとウザくて行く気もしないぜ。これが普通の感覚だと思うのだが、どうであろうか?会社まで片道1時間以上かけて通勤する方々に対しては本当に頭に脳味噌が入っているのかどうか疑ってしまうのも、俺の悪いクセである。

 

 


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2003.2.21

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