インチキ会計士の 三次試験落ち方講座!!

 

5. タイプ別診断~忙しいヤツ

 

忙しいヤツ

 忙しいヤツってのは、どこの法人にも存在しているはずである。仕事量に偏りがあったりするのは、ある意味自然な流れで、人間が作っている組織である以上、当然この種の人間が発生するわけだ。

 

 たまに勘違いしてるヤツがいるのであるが、三次試験前になると突然忙しく立ち回るヤツが出てくる場合がある。これは、忙しいヤツというべきではないことが多い。つまり、勉強時間を確保するために、普段やってないようなスピードで仕事をせざるを得ないというわけだ。

 

 本当に忙しいヤツってんのは、三次試験の前だろうが、いつだろうが、慢性的に忙しかったり、監査法人でよく発生する「集団退職」の犠牲者であったり、あるいは、ただ単に仕事がトロいだけの人間であったりするわけだ。

 

 俺の知ってるヤツでも忙しいヤツというのは沢山いるんだが、忙しい原因は何かによって、その属性を分類することが可能である。

 

(1)上司に信用されており、仕事を沢山任せられている

 これは否応なしに仕事をさせられている場合である。しかし、こういうヤツは、優秀な人が多いのか、三次試験に落ちるということが余りない。まあ、元々忙しいと分かっていれば、普通の人間ならば計画的に勉強するはずであるし、ましてや、優秀な人間であるってんだから、当然合格するものである。

 もしかしたら、ここを見てる人の中にも、この種の人間がいるかもしれない。受かるから安心して勉強してな(笑)

 

(2)事務処理能力が通常の人間の2分の1くらいの速度

 まあ、こりゃあ、見てりゃ大体分かる。しかし、こういうヤツでも、案外合格することが多い。自分の処理能力が人より劣っていることをよく自分で分かっていることと、処理能力が遅いんで仕事を余り頼まれないためであろうと思われる。したがって、人よりも早く勉強を始める等の方策をとり、実行に移すはずだ。

 処理能力が遅く、かつ、勉強しないヤツというのも中にはいるのであるが、そういうヤツはそもそもリーマン稼業にしがみつくしかないので、何とか早めに勉強を開始する方向で検討すべきであろう。当然、勉強も処理能力が遅いため、たまに順当に落ちることもあるというのがこのタイプである。

 

(3)超勤手当欲しさに仕事量を増大させている

 本当に真面目に仕事をして、その対価をもらうって人も、もちろん沢山いるし、そういう人は忙しく仕事してても多くは合格する。根が真面目だし、より多くの報酬を得るためには、勉強して合格するのが良いということをよく知っているわけだ。

 その一方で、遊びのカネを求めてやっているヤツも多い。つまり、根っからの遊び人だ。したがって、必然的に落ちる可能性が高まってくる。忙しくて落ちるタイプの一つである。このようにならないためには、遊びに使うカネは適切な金額に限定し、なるべく超勤手当をもらわなくても生活できるようにすることが肝要だ。勉強癖をつける前に、まず遊び癖を治すことが必要である。

 こういうヤツは、実はしたたかであって、勉強すればちゃんと受かるのだ。

 

(4)集団退職により、退職者の仕事が大量に降ってきた

 突発的な出来事に対応しきれない人々がこれだ。集団退職なんてことがあった場合には、人によるが、仕事の量が一時的に2倍~3倍になることもある。最も危険度が高く、予測不能な災害であるため、悠長に構えていたヤツの場合、この時点で不合格決定となる場合がある。妙に体力がありそうな、元ラグビー部員などはこのような憂き目に遭う可能性があるため、注意を怠らないようにした方がいい。いくらラグビーをやっていたとしても、勉強する時間がなければ落ちるのだ。

 忙しいことが原因で落ちるヤツの中で、ある程度ウェイトを占めていると思われる。

 

(5)仕事が楽しくてたまらない

 もう逃げることは不可能かもしれない。しかし、少なくとも三次試験を受験するまでは、仕事も適当に手を抜いたり、過大な仕事を引き受けたりしないことが大切だ。仕事に限らず、たまにはのんびりと過ごしてみようじゃねえか。一生懸命やるだけが人生じゃねえや!

 なんて言ったところで、聞く耳を持たないのもこのタイプの特徴である。仕事してたせいで不合格となる。しかし、不満もあんまりない。俺には変わったヤツっつーか、変な人にしか見えないが、熱中することが出来るヤツだけにその精力を勉強に向ければ、きっと合格できるんじゃねえかと思うぜ。合格した後に大好きな仕事をすりゃあいいんじゃねー?

 

偽忙しくて落ちるヤツ

 こういうのもいるんだよな。これは前述の「勉強しないヤツ」の中に含まれていることが多い。本当は忙しくなんかないのだが、勉強したくないがために仕事をする、という連中である。そんなに勉強が嫌いなのかよー?と言われながらも、仕事をやってくれるので結構便利だ。こういうヤツの場合、忙しくて落ちたということを言い訳にしたいのかもしれない。

「あの人、忙しいからねー。落ちても仕方ないよ。」

な人たちに多い。何しろ、忙しいことを大いにアピールしてるからな。この辺が最初から勉強してないヤツよりもしたたかである。俺が知ってる例でもこういうのがいた。無理矢理忙しくなるようなヤツが。

 

 こいつは、忙しくて落ちるのは仕方ない、と考えているようで、俺みたいに暇なくせに落ちるヤツを完全に見下している。まあ、結局は「勉強しないヤツ」なわけで、所詮、同じ穴のムジナだ。

 

 ところが、これが結構効果があるようで、俺が不合格、彼も不合格の場合、俺の方が完全なバカとして扱われるのに対して、彼は仕事を一生懸命やったので落ちた、よく頑張った、みたいな評価を人々から受けることとなる。ま、俺にとっては、別に気にするほどの問題じゃねえんだが、何となくアタマの出来の違いを見せ付けられたような感じがしててさ。確かに、アタマはいいよな。素直に褒め称えるぜ、俺は。

 

 法人内部向けにウケの良い落ち方としては王道といえるであろう。「忙しいんじゃ、しょうがねえよー!」ってな。

 

 落ち方としてみれば、法人内部向けの見てくれから考えると、仕事が忙しいことが理由になる場合が王道としてふさわしいというのは、誰しもが認めるところだと思う。

 王道を行くためには、犠牲にするものが多いのは、シーザーも始皇帝も、そして現代の俺らにも共通の理である。忙しくて落ちる、その代償は賃金だ。三次試験に受かると賃金が上がり、受からないと上がらない、あるいは上がりにくい、更には将来の昇進にもかかってくる場合も少なからずある。

 しかも、一回落ちるくらいならば、まだ何とかなるんだが、二回、三回と落ちるようになると、普通のヤツはどうかしらんが、俺みたいなはみ出し者の場合は、もう昇給も昇進もなくなっちまうはずだ。つまり、監査法人からカネをゲットすることが困難になるわけである。

 だから、少しでも監査法人で頑張りたい、あるいは監査法人からカネをゲットしたいという気持ちがあんだったら、途中で三次試験を諦めたりしちゃいけねえや。俺の場合は、別に受かっても受からなくても、会計士という商売さえ辞めちまえば関係ねえし、元よりそのつもりでいたし、実際に会計士稼業は一度辞めている(カネの面ではそんなに変わらなかったんだけど)ってんだから、俺の真似は絶対にしちゃいけませんねー!


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2005.6.19