インチキ会計士の 三次試験落ち方講座!!

 

4. タイプ別診断~勉強しても落ちるヤツ

 

勉強しても落ちるヤツ

 こういうヤツも実は結構いる。潔さが少々足りないような気がする方もいるだろう。ただ、一生懸命努力していることは、決して無駄にはならない。俺の知り合いでも、みんなと同じくらい勉強してたのに落ちた、ってヤツもいたにはいたんだが、何しろ三次試験の勉強を最低二回もやることになるわけで、これが仕事に役立たないわけがないぜ!会計バカとしての階段をまた一歩登ったことになるわけで、専門家先生としての素質が芽生えてくる可能性もあるわけよ!

 

 実際にそいつは、今や俺なんかよりもはるかにデキる人間になっている。小六法も法人税法も軽く暗唱しそうなくらいの会計バカとして活躍中だ。

 

 まあ、「三次試験落ちたヤツに何が素質が芽生えるだ、バーカ!」と言う方もいると思うが、実際のところ、会計士の先生方の言う素質とかセンスってのは「お勉強時間」と同一意義で用いられていることが多いことに、賢明な皆さんはお気づきであろうと思う。

 

 「彼はセンスがある」=「彼は長い時間勉強している」というケースが多い。もちろん、言った本人はそう思ってなくて、マジで会計士なんぞにセンスなるものがあるんだと信じているかもしれないが、実際のところ、「会計にセンスもへったくれもねえんじゃねえのか?なんか野球とかサッカーとかと勘違いしてねえ?」と俺も疑問に思うことがしばしばである。監査なんかをやっていて、そんな高度で微妙な、センスが問われるような職人芸を演じる場面があるのだとすれば、それはせいぜい粉飾決算に関係するときくらいであろう。まあ、そこらへんにいる会計士の先生が粉飾に加担する技術も勇気も持ってないわけで、大半の会計士はセンスがないという結論にわれわれは達することになるわけである(センスはないが、先生方のご努力がそれを十分すぎるくらい補ってる、ってことでね!)。

 

 そもそも、人のセンスを見抜けるヤツというのは、それ以上のセンスを持ったヤツに限られるというのがこの世の中の摂理である。つまり、「キミ、センスあるねー。」なんて言ってるヤツは「俺は彼以上にセンスがあるのだ。」と誇示したいだけなのかもしれないぜ?ま、途中の議論は省略するが、こんなこと考えてたら、サル並みorゴリラ並み判定を受けたとしても、このことには誰も異論を挟まないところである。

 

 ともかく、サルとかゴリラとかが何といおうと、一生監査法人にいるつもりの人には非常にいい経験になるはずで、こんな状況に陥ったとしても、気にせずにわが道を邁進していただきたい!まさに、ピンチはチャンスなり、というわけだ。

 

口述試験落ちるヤツ

 このタイプでは、実は口述試験で落ちてる、なんてのも含まれる。何しろ、筆記は通っているんだから、それなりの勉強はしたわけだよな。よっぽどギリギリで筆記通過だったのか、それとも、口述でよほどマイナス点を付けられたのか、いずれかであろう。

 

 前者の場合は、ツキがなかっただけだ。仕方ねえから、もう一度ちゃんと勉強しとこうぜ。つーか、わずかながら、勉強が足りなかっただけであると思うので、前年の勉強に少し改良を加えた上で受験に臨んでほしいもんだ。

 

 後者の場合は、人間的に何か問題があるんじゃねえかと思うんで、人間として立派に成長出来るよう、いますぐ監査法人を辞めて外へ飛び出そう!

 

 外へ飛び出すといっても、人間的に何か問題を抱えたままでは、一般社会に受け入れてもらうことは不可能だ。殊に会計士の先生方は、コミュニケーション能力に問題ある場合が想定されるんで、いっそ外国にでも1年くらい行ってみるってのはどうだ?黙って誰かが外へ連れ出してくれるのを待ってても、何も起こらねえってんのが世の常だ。外国に1年行くくらいの金はあんだろ?何もかも投げ出して、放浪してくるのもいいし、あるいは短期留学か何かして英語とか学んでくるのもいいだろ。気分転換にもなるし、非常にいい経験をすることが出来るし、自分が何であるかとか、自分が本当は何をしたいのか、なんてことも考える時間がたっぷりとある。いいことずくめだぜ?

 

 俺がお勧めなのは、やっぱ中東だろ?その中でも現在最も面白いのはイラクなのであるが、今の時期、イラクへ行くと何かと大衆受けが良くないようなんで、大衆に受けたいと思う人は、シリア辺りで我慢しとくべきだ。シリア・イラク国境付近を放浪するなんてことを1年やって帰って来ると、人間的にかなり成長していると思うぜ。どうだ、そう思うだろ?な?

 

 放浪する場合は、三次試験の勉強が出来ないと思う方もいるであろう。事実、専門学校では外国にまで教材を送ってくれるサービスはないのだ。しかし、日本国内に誰か知り合いなり、親なりがいる場合は、受講は誰でもできるので、身代わりに教材を取ってもらうべきだ。そして、教材をある程度まとめて送付してもらうと良い。シリアのホテルか何かに居住して教材が着くのを待つという手がある。

 

 また、シリアに教材を送付する場合は、教材もろとも紛失してしまう可能性もあるため、非常用として税法・分析の教科書や答練、そして監査小六法を携帯することを忘れてはならない。俺の知り合いで、3次試験のある年の夏に、長期休暇をとって外国で過ごしたというヤツがいた。

 

 そいつが言うには、監査小六法は海外への持込みを特に禁止されているわけでないらしい。ただ、非常に重い割りには、全く使用しなかったという。使用しなかったために落ちたのかどうかは定かではない。そもそも、三次試験のある年に長期休暇をとって海外で過ごすというのは止めた方がいいのかもしれない。

 

 また、俺も最初の年、海外へテキストなどを持っていって8日間ほど過ごしたのだが、一度たりとも見ずに過ごした経験がある。帰りに重いので捨ててこようかと思ったほどであった。休暇の場合は、持っていくだけ無駄である可能性が高いので注意すべきだ。

 

 さて、どのような手段をとるかは別として、人間的に成長を遂げ、翌年の試験は筆記免除を選択し、堂々と口述試験だけ受ける、みたいなことも以前は可能であったが、今回のラスト試験の場合は落ちると実質的に公認会計士試験受験生(一部科目免除)となるわけで、そういう勇気を持てるか否か、非常に微妙なところでもある。

 

 以上見たように、筆記受かって口述試験落ちることとなった場合、テキスト・小六法などを携帯して、海外を放浪する等の苦労をしなければならん。こりゃあ大変だ、と思うんだったら、素直に勉強するこった!自由に世界を旅したい、という人にはお勧めのタイプなんで、こういう風になりたい人は一生懸命勉強して、口述でバカをやる(突然回転するとか、メッカに向かってお祈りするとか)と面白い運命が待っているものと考えられるので、頑張ってほしい。

 

 まず、お断りであるが、口述試験での適切な行動については、後に十分すぎるくらいに議論することになると思うので、もう少々お待ちいただきたい。

 勉強したけど落ちた、という人は、何か勉強方法が間違っていたとか、そういうこともあるかもしれないが、一番の原因は、おそらく専門学校の教材ではないかと俺は思っている。

 かくいう俺も初年度は某専門学校の三次試験講座っていうのを通信でとっていたが、ものすごい分量であり、9月くらいに一度整理してみると、とても1ヶ月やそこらでは出来る量ではなかったのを懐かしく思い出すのである。ちなみに、それ以来、専門学校の教材をいうものを取ったことはない。つまり、完全独学状態だったわけだ。その教材で役に立ったのは、以下の通りである。

1.税法

 税法に関しては、細かい部分は仕事で触れたり、以前に触れたことがあったりしたものであるが、体系的に勉強するのは初めてだったんで、テキストだけ利用し、後は国税庁のHPを参考に改正点をつぶしていく、という作業をやっていた。テープも一応全部聞いたが、全部聞き終えたのが2年目の試験の1週間前くらいであった。結構役に立ったといえるであろう。

2.分析

 分析は基本的な経営指標について少々解説されていたので、テキストだけを参考にして、1日がかりで終わらせたが、これも2年目の試験の1ヶ月前くらいのことである。ちなみにテープは一部紛失してしまっていたため、聞く気力がなくなってしまい、ほとんど聞いていない。計算式集みたいなのと、その指標の意味するところ、みたいなのはよくテキストにまとまっていたので、そこは使えた、というだけである。

 その他の科目については、わけわかんねえ解説や、あんまり意味のない基準丸写し的なテキストであったため、ほとんど使っていない。つーか、その他の科目の分量を見てやる気を失ったといっても過言ではない。やたら表示にこだわったつくりになっていたように記憶している。ま、これは俺が単にやる気がないだけで、他の人々にとっては大変有意義なモノであったのかもしれねえけど、少なくとも俺の正直な感想としては、「やってらんねーよ、こんなもん!」というところである。

 ちなみに、会計士試験とは無関係の某D専門学校が出している税理士試験の法人税の問題集監査小六法の方がよほど受験には役に立っていたことを付け加えておこう。


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(C)Karl5 Production  karl5pro@infoseek.jp

2005.6.15